微妙ですが、まぁなんとか

みなさま、お元気ですか?

今週のこと

 いよいよ出ちゃいましたねぇ、非常事態宣言。なんか実際に出るまでいろいろ手続きというか、手順というか、お作法があったっぽいですよね。非常事態宣言の準備っぽいことがさ。で、ネットのニュースを見ると、明日から非常事態宣言が出るから今のうちに遊んでおこうと思って、みたいな町の声もあったりして、ちょっとびっくりしますよね。非常事態宣言駆け込みクラスターとかないだろうな。

 読んだ本

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫) https://amzn.to/39O6ZEc

 日米開戦直前に、太平洋戦争の経過を真珠湾攻撃と原爆投下以外すべて予想していた総力戦研究所の話。このCOVID-19に対する総力戦を戦っている時期に、現在の日本の意思決定のプロセスが、もしかすると太平洋戦争前の日本とあまり変わってないんじゃないか、なんてことをちらっと考えちゃいますね。あ、日本はまだ総力戦じゃないのかな、カナダはそうだけど。

●ペスト(新潮文庫https://amzn.to/2UTCGaP

 言わずと知れたカミュの名作。なんか巷ではやってるって言うし、まだ読んだことがなかったので読んでみました。とある町の架空のお話らしいのですが、まぁリアルですこと。お役所の対応や人々の意識がどこかの国とダブるもの。「疫病はみんな一人一人の問題であり、一人一人が自分の義務を果たすべきである」ってところに妙に納得。そうなのよねぇ。

 カミュは不条理文学が云々って話がよくされるみたいで、でもこれって不条理って言うか、不幸とか不運とか不確実性って話じゃないの、って思っていたんですが、信仰との関係抜きには語れない話なんですかね。善く生き、神を信じ、他人のために尽くす人間が命を奪われたりするのはなぜかって話なのかも。無神経に夜の街や巣鴨に繰り出してウイルスをもらい、まき散らす人たちのせいで、自分や自分の大事な人がひどい目に遭うのはなぜなのか、ってことなんだろうな。異邦人のムルソーのような、自己の欲求に忠実な人ばかりな世の中で、信仰なんて成立するのかしら。

●バカが多いのには理由がある https://amzn.to/3e9aSqt

 橘玲はきついこと言っているのが面白く、10冊以上読んでいますが、これもなかなか面白かった。世間の人は短絡的というか、よく考えないで結論出しちゃうからだよってなことを指摘している本。たしかに巷でされている議論を聞くと揚げ足取りと「しりとり」みたいなのばかりだし、Twitter見ても、文脈を読み取らず字面のみから脊髄反射みたいな反応がよくみられるしさ。物事の本質的な意味とか意図を考えないから、非常事態宣言前に外に遊びに行っとこう、みたいな話になるんだろうな。

 ビデオはなし。Youtubeでチラ見したIp Manが面白そうだったので、Amazon.caでDVDを買おうかと思ったら、なんと5月になってからの配送。そういえば生活必需品以外は後回しだからね、って話だったような気が。残念。